シロアリは大切なお家にとって脅威の存在です。お家を守るためにも定期的な点検をおすすめします。
では、どれぐらい頻度でどのような点検をするとよいのでしょうか?
今回はシロアリの定期点検の必要性についてご紹介します。
シロアリ点検の推奨間隔:5年に1回
シロアリの防除処理を施した後は、5年ごとに点検を行うことが推奨されています。防蟻剤の有効期限が大体5年間であるため、この期間に再点検をして効果を継続することが望ましいです。
もしまだ一度もシロアリ防除をしていない場合は、早めに点検を実施することが重要です。定期的な点検により、シロアリの早期発見が可能となり、仮に発生していた場合でも損害を最小限に抑えることができます。
シロアリのコロニーは一般的に数万から100万匹の規模であり、1日に約70gの木材を消費します。1年間放置すると、約25kg、約5メートルの木材が食害されることになります。これが原因で、地震などの自然災害時に建物が倒壊するリスクが高まります。
シロアリ被害事例の紹介
1995年の阪神淡路大震災時に倒壊した家屋の中には、シロアリ被害を受けていたものが多数ありました。シロアリによるダメージは建物の耐久性を著しく低下させ、適切な管理と点検が行われていれば、被害を軽減できた可能性があります。そのため、シロアリの定期点検は非常に重要です。
点検手順の説明
ここではシロアリ点検がどのように行われるかをご紹介します。点検には通常約1時間ほどかかりますが、大きな住宅や複雑な形状の住宅の場合は時間が長くなることもあります。
自分で点検を行いたい場合は、以下の方法を参考にしてください。これにより、効果的に床下をチェックすることができます。
シロアリ点検の流れ
- 間取りの確認
- 家の中を一周し、各部屋の配置と床下の状態を把握します。これにより、どの部分がどの部屋に対応しているかがわかり、点検がスムーズに行えます。特にキッチンや水回りの位置は重要です。
- 点検口からのアクセス
- 床下収納や畳が外せる場所から床下にアクセスします。すべての住宅に点検口があるわけではなく、点検口がない場合は新設することが必要です。その費用は約25,000円から50,000円が目安です。
- 水回りの配管チェック
- 床下で配管のさびや水漏れがないかを確認します。水漏れはシロアリが発生する原因となり得るため、このチェックは非常に重要です。
- シロアリの有無の確認
- 床下を視覚的に調査し、シロアリの蟻道の有無や、基礎のヒビやカビの状態もチェックします。これにより、建物の現状とシロアリの活動を詳しく把握できます。
これらのステップを踏むことで、シロアリの早期発見と対策が可能となります。自分で点検を行う際にも、このプロセスを参考にしてください。
シロアリ点検の費用
シロアリの点検サービスは、無料で提供している業者もいますが、自宅が業者の所在地から離れている場合は、有償になる場合があります。これは、人件費や交通費が発生するためです。
できるだけ安く済ませたい方は、無料サービスを提供する地元の業者を利用するのが良いでしょう。
また、業者さんによっては無料と有料の点検を分けているパターンもあり、有料の場合は写真付きの詳細な報告書を提供したり、他の害虫のチェックも行ったりすることがあります。
点検を依頼する際には、以下の点を確認しましょう:
- 点検の料金
- 点検される場所の写真
- 点検結果の詳細な説明
- 提供されるその他のサービス
これらを確認してから業者に依頼することが重要です。
信頼できる業者の選び方:3つのポイント
シロアリ点検を依頼する際、信頼できる業者を見極めることが非常に重要です。床下のような普段目にすることが少ない場所は、特に慎重にチェックする必要があります。ここでは、信頼できる業者を探すための三つのポイントをご紹介します。
- 作業の透明性
点検業者が提供するサービスの内容や料金体系が明確であることが重要です。事前に詳細な見積もりを提供してくれる業者は、隠れた費用がなく信頼性が高い業者さんです。 - 過去の実績と評価
業者の過去の実績や他のお客さんからの評価を参考にします。実際にサービスを利用した人々の声は、業者の信頼性を判断する上で大きな材料となります。 - 無理な勧誘の有無
点検後、必要以上に高額な工事を強引に勧める業者は避けたほうがよいでしょう。過剰サービスではなく必要なサービスを適切に提案してくれる業者さんだと安心です。
これらのポイントを踏まえて業者を選ぶことで、トラブルを避け、安心して点検を任せることができます。
写真を使った点検結果の報告
点検を行う際は、結果を写真で報告してくれる業者に依頼することがよいでしょう。
床下のような普段見ることができない部分の現状を、写真で把握することで、消毒や予防措置が必要かどうかをご自身でも判断することができます。
一部その家で撮影したもので無い写真を見せる業者があると聞きますが、、疑問がある場合は自分で目印を決め、その目印が写るように写真を撮影してもらうと良いでしょう。これにより、提供された写真が実際に自宅のものであることを確認でき、安心できます。
水漏れチェックを含む点検サービス
シロアリ点検を行う際、配管の水漏れも確認してくれる業者もいます。シロアリは湿気を好むため、床下の配管からの水漏れはシロアリ被害を引き起こす原因となります。
点検時には、シロアリの有無だけでなく、配管の水漏れの有無も確認することが重要です。これにより、将来的に発生するかもしれない問題を早期に発見し、建物の寿命を延ばすことができます。
ウェブサイトで施工実績を公開している業者
シロアリ点検や駆除の施工実績をウェブサイトで公開している業者も安心できますね。実績の公開は、その業者が経験豊富で知識があることの証です。
実績の多い業者は、現在のシロアリの状況だけでなく、将来的な被害を引き起こす可能性のある要因も細かく点検してくれることが期待できます。これにより、シロアリ被害を未然に防ぐことが可能になり、被害が発生した場合でもその影響を最小限に抑えることができます。
シロアリ予防のためにできる6つの方法
シロアリの予防として、消毒や専門的な工事以外にも、日常的に行える予防措置があります。ここでは、家をシロアリの侵入から守るために有効な6つの方法を紹介します。これらの方法は、特に湿気を避け、木材を乾燥させることに焦点を置いています。
雨漏りの早期修理
家内の雨漏りを見つけた場合は、すぐに対処することが重要です。雨水が木材に浸透すると、シロアリの餌場となりやすい湿った環境を作り出してしまいます。
雨漏りが続くことで、木材は常に湿潤な状態を保ち、それがシロアリを引き寄せる原因となります。そのため、見つけ次第、迅速に修理を行うことが家の寿命を守る上で不可欠です。
シロアリは湿気を好む生物であるため、家の乾燥を保つことが彼らを遠ざける鍵となります。次の節では、家を乾燥させるための具体的な方法について詳しく解説します。
廃材や不要な家具を庭に放置しない
庭に不要な木材や廃材、家具、切り株を放置することは避けましょう。これらが雨風にさらされて湿気を帯びると、シロアリを引き寄せる原因になります。湿った木材はシロアリにとって絶好の餌場となるため、庭の廃材がシロアリの入口となり、家に被害が及ぶ可能性があります。
もし庭に木材を保管する必要がある場合は、地面から離して通風を良くし、湿気がたまらないようにすることが重要です。
注意: 庭に敷かれたウッドチップも注意が必要です。ウッドチップは見た目を良くするためや、土壌の乾燥を防ぐために使われますが、湿気を保持しやすく、シロアリの餌となることがあります。ウッドチップの下は湿気が溜まりやすく、シロアリの被害を受けやすい環境になり得ます。
段ボールの放置を避ける
庭や屋外に段ボールを放置することもシロアリの誘因になります。段ボールは木材から作られており、湿気を帯びるとシロアリにとって魅力的な食料となってしまいます。
外部に段ボールを置いたままにすることは、シロアリを引き寄せる原因となり得るため、使用後の段ボールは適切に処理し、屋外には保管しないようにしましょう。
通気口の保護
基礎部分には通風穴(通気口)があり、これらは床下の湿気を逃がすために非常に重要です。これらの通気口が荷物や雑草によって塞がれないよう注意しましょう。通気口が塞がれると、床下の湿気が逃げ場を失い、シロアリが好む暗く湿った環境が形成されやすくなります。
通気口の周囲は最低10~15cmは空けて、常に空気が流れるようにしてください。また、通気口周辺の雑草が生い茂っている場合は、定期的に清掃を行い、換気が妨げられないようにすることが大切です。
ウッドデッキの維持管理
庭にウッドデッキがある場合は、定期的に塗装を行うことが推奨されます。塗装によってウッドデッキの木材が水を吸収することを防ぎ、シロアリの被害リスクを減らすことができます。
ウッドデッキが水を吸いやすい状態になると、シロアリの温床になりやすく、最悪の場合、家の中にシロアリが侵入する原因となり得ます。塗装によって木材を保護し、シロアリが寄り付きにくい環境を維持しましょう。
外壁の塗装による防水処理
外壁の塗装工事は、単に見た目を美しく保つだけでなく、シロアリ予防にも効果的です。塗装により外壁に防水層を形成し、ひび割れを防ぎます。これによって雨水が壁を通じて内部の木材に浸透するのを防ぐことができます。
外壁塗装は、家を水から守る重要な防水工事と考えることができます。家の構造を長持ちさせ、同時にシロアリの侵入を防ぐためにも、定期的な塗り替えが推奨されます。このように、外壁塗装は美観の維持だけでなく、家全体の耐久性を高め、シロアリのリスクを低減するために重要です。
シロアリの点検は重要で、消毒をしている場合は5年に1回、していない場合はできるだけ早く点検を受けましょう。
ここまでで紹介した通りシロアリを寄せ付けないためには、いくつかの対策があります。
雨漏りを放置しないことや、庭に廃材や家具を放置しないこと、
また、基礎の通風孔を塞がないようにしたり、ウッドデッキや外壁を定期的に塗装することも重要です。これらの対策を取ることで、シロアリ被害を防ぎ、安心して暮らせる家を維持できます。
シロアリがいる家の特徴
床がきしむ・ふかふかする: シロアリが床下の柱や床材を食害することで、床が不安定になり、歩くときしむ音やふかふかした感触が生じることがあります。
ドアや雨戸の建てつけが悪くなる: シロアリの被害によって柱や壁が弱くなることで、ドアや雨戸の建てつけが悪くなり、開閉がスムーズでなくなる場合があります。
壁や柱を叩くと空洞音がする: シロアリが内部の木材を食害すると、その部分が空洞化し、叩くと空洞音がすることがあります。
浴室や脱衣所の壁・柱などが変色する: シロアリの被害によって湿気が侵入し、壁や柱が変色することがあります。特に水回りの部分は湿気が多く、シロアリの被害が進行しやすい場所です。
庭にある杭や塀がぐらぐらする: シロアリが庭の木材を食害することで、杭や塀が不安定になり、ぐらぐらすることがあります。
シロアリ駆除でよくある質問
シロアリが嫌がる匂いは?
ハッカ油は、その強い香りでシロアリなどの害虫を寄せ付けないと言われています。水に数滴混ぜてスプレーボトルに入れ、お部屋や庭などに散布することで、害虫の侵入を防ぐことができます。
さらに、ハッカの香りはリラックス効果もあるので、居心地の良い空間をつくることができます。自然な方法で害虫対策をする際に、ハッカ油は有効な選択肢の一つですね。
シロアリを見つけた時にやってはいけないこと
殺虫剤の使用: 殺虫剤をまくことは、シロアリ駆除には逆効果です。なぜなら、殺虫剤はシロアリを追い払う忌避効果があり、ただちに殺虫剤がかかった場所からシロアリが遠ざかってしまいます。
しかし、その後は殺虫剤がかかっていない場所に逃げていき、他の場所で木材を食害してしまいます。そのため、巣の特定や根絶が難しくなります。
放置すること
シロアリを見かけたら、放置せずに早めに対処することが重要です。特に新築の家でも、シロアリ被害が発生する可能性があります。
シロアリは内部の柱や床下など人目につきにくい部分を食害し、家の耐久性を損ないます。放置すれば被害が広がり、修復に大きな費用がかかるだけでなく、家の価値も下がってしまいます。
これらの兆候は、シロアリの被害が進行している可能性があることを示すサインです。シロアリが木材を食害することで、家の構造物が弱くなり、上記のような問題が起こる可能性があります。
シロアリが出るとどうなるか
シロアリが木材を食害すると、家の構造に重要な柱や梁が弱くなり、建物全体の強度が低下します。これにより、地震や台風などの自然災害が発生した際に、建物が倒壊する可能性が高まります。特に柱や梁が影響を受けると、建物の安定性や耐久性が脅かされることになります。
シロアリ被害が進行すれば進行するほど、家の安全性が低下し、修復や再建にかかる費用も増えていきます。そのため、早期にシロアリの被害を発見し、適切な対策を講じることが非常に重要です。定期的な点検や、初期の兆候に気付いた際には専門家に相談し、適切な駆除や修復を行うことが、家の安全性を守るために必要な対策です。
最後に
石原住設ではシロアリ駆除、予防工事を行っております。
被害の有無にかかわらず気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
最適な駆除、予防プランをご提案いたします。